クリーニング後の気になる匂い|原因と家庭でできる対策について

大切な衣類をドライクリーニングに出し、戻ってきたら気になる匂いがついていた…という経験はないでしょうか。
埃よけにビニールをかぶせたまま保管し、いざ着ようというときになって嫌な匂いに気付いたことはありませんか?

今回は、ドライクリーニング後の嫌な匂いの正体と、衣類から匂いを抜く方法について解説します。

ドライクリーニング後の嫌な匂い、原因は?

ドライクリーニングのあと、服に匂いがつく原因は「溶剤」「カビ」の2種類に分かれます。

溶剤の匂い

クリーニング直後の「石油臭さ」の正体は、ドライクリーニングで利用される溶剤です。

ドライクリーニングは水を使わず、石油系の溶剤を使いて服を洗います。この溶剤によって、水洗いでは落ちない汚れもキレイに浮かせ、繊細な衣類も縮みや型くずれなく洗い上げることができるのです。通常、この溶剤は乾燥工程で揮発し、匂いが残ることはありません。しかし、油抜きや乾燥工程の不足によって、衣類に匂いが残ってしまうことがあります。それが「石油臭さ」の正体です。

また、クリーニングに使った溶剤は、匂いや汚れをフィルターによって濾過して再利用されます。しかし、濾過工程や濾過フィルターの管理などが不十分で溶剤が充分に再生されていない場合、汚れた匂いが服全体的にしみてしまっていることもあります。

カビの匂い

カビ臭さの正体は、衣類のカビそのものです。ドライクリーニングは洗浄工程で水を使わないため、すぐにカビがつくことはありません。しかし、クリーニングから戻ってきたあとに、ビニールカバーをかけたまま湿度の高い環境で長期間保管していると、カビが生えてしまいます。

匂いがついてしまった衣類はどうすればいい?

それでは、実際に衣類に匂いがついてしまった場合は、どのように対処すれば良いでしょうか。

溶剤の匂いがついている場合

匂いそのものに害はありませんが、揮発性の溶剤なので、直接触ると肌がかぶれるおそれがあります。あまりにきつい匂い残りがある場合、そのまま着るのは避けたほうが良いでしょう。

クリーニング店から引き取ってすぐ石油臭さに気付いたときは、まずその場でお店に問い合わせましょう。洗い直しや匂い抜きをしてくれることがあります。それほどきつい匂いでなければ、すぐにビニールを取り、室内の風通しがいい場所に吊るして扇風機などで風をあてておけば、一晩でほとんど消えるでしょう。

洗い直しや風通しをしても匂いが抜けなければ、クリーニング店の溶剤管理に問題がある可能性も。洗い直しの問い合わせをおすすめしますが、信頼できる他のお店を探したほうが早いかもしれません。

なお、ドライ溶剤は水溶性ではありません。自宅での水洗いで匂いを抜くことはできないことに注意しましょう。「匂いがついている!」とあわてて洗濯すると、大切な衣類を台無しにしてしまうおそれがあります。

カビの匂いがついている場合

気付いた時点で他の衣類から離し、カビうつりを予防しましょう。ベランダや庭などで服を叩き、付着しているカビをできるだけ払い落とします。根の深い黒カビでなければ自宅の漂白で落とせるかもしれませんが、漂白ができない生地であったり、深刻な黒カビになっていた場合は、クリーニング店への相談をおすすめします。

また、衣類のカビ対策で最も大切なのは予防です。クリーニング店でかけられたビニールカバーは、輸送中やお店での埃うつりを防ぐためのもの。自宅でははずして保管しましょう。長期間着ない服がかけられているクローゼットは、定期的に扉を開けて風を通すようにすれば、カビの発生を防げるでしょう。

まとめ

以上、ドライクリーニング後の気になる匂いの原因と対策について解説しました。

せっかくクリーニングに出したお気に入りの服。さっぱりと気持ちよく、無臭の状態で楽しみたいものです。クリーニングから戻ってきた衣類はその場で匂いの残りがないかを確認しましょう。匂いに気付いたら、洗い直しの手配や風をあてての揮発などで、なるべく早く対処することをおすすめします。保管の際はビニールカバーをはずし、乾燥した環境で吊るしてください。

この記事が参考になれば幸いです。


2017年5月16日 クリーニング後の気になる匂い|原因と家庭でできる対策について はコメントを受け付けていません コラム